こんにちは、勝正光です。清島アパートに立ち上げ当初から入居し12年になりますが、
来年度から別府のクリエイター移住促進にもっと広域で関わるために清島アパートの
中からは退居することになりました。いままでお世話になったみなさま、本当に
有難うございました。
今後の活動の詳細発表はもうちょっと後になるかと思いますが、拠点はいったん徒歩1分の自宅に引き上げ、変わらずアートを通じて別府の魅力を発信するために活動続けていくので、今後とも宜しくお願い致します。
最初に開催されたイベントでは、132組のクリエイターが入れ替わり立ち替わり滞在し制作発表を続け、2ヶ月で来場者5350名、最終日1日だけで585名という熱気に包まれました。
それから年度ごとに募集されクリエイターが入れ替わり住んで居住制作拠点として続いてきて、ここを中心に別府に移住したアート従事者も120名を超え、いまでは別府に欠かせない交流拠点となりました。
ここで偶然の出会った同士なのに、当たり前のようにアートを囲んで、
これはまるで温泉のようで、別府ならではの、他所には無い制作環境です。
それは、昔から温泉を中心にして古今東西分け隔てなくいろんなものが集まってきた、大衆文化の幅広さと奥深さをもつ別府だからこそ為せる環境だと思っています。
私は入居当初から、地域に根をおろした活動をしてきました。いままで中学校の美術講師や、
子ども会絵画コンクールの審査委員長などを務めさせていただきながら、
地域の方々から依頼された題材を鉛筆素描で描かせてもらってきて、
そして今年度は、別府市のビジネスコンテスト・ONE BEPPU DREAM AWARD 2020にファイナリストとして出場させていただき、
15のサポーター企業賞を受賞しました。現在その企業様がたと協働させていただきながら、クリエイター移住促進創業支援事業の起業準備中です。
移住促進面では、第2第3の清島アパートをつくる計画が進行しており、まず1軒目は9月オープン予定で、
1階の別の方が経営する地域間の循環によって社会問題に取り組むカフェと同時にオープンし、共に拠点をつくっていきます。
他にも、組合長として4月1日から再開を予定している、清島アパートと同じ町内の末広温泉の管理人室にも移住ができるよう働きかけ、
沖縄から1名移住が決定し、自治会の方々とも協働して、特徴的な共同浴場づくりを進めています。
創業支援面では、奈良から移住希望の竹工芸作家の別府視察を調整し、移住創業を準備中であり、
並行して、別府を題材にした鉛筆素描作品を制作しています。この絵は、別府湾から見える観音様が仰向けで寝ているように見える山の顔の部分を描いていて、
観音様の顔を描いた仏画でもある、という絵です。このような題材が別府にたくさんあり、それらをモチーフに鉛筆素描を描いていくと、
物語の交差や重なりに触れることになり、時に一つの絵が思いも寄らない複数の意味合いを纏ってしまうことに面白さを感じています。
別府はこのように日常風景内で偶然に出会う発見に溢れていて、飽きません。しかもそれらは、
もちろん発見されようがされまいが関係なく、当たり前のように存在しているので、地元の人さえも、
あって当たり前のものと思っている風景が、発見すると驚きの風景だったりするわけです。 自明のもののように思われるものに驚き、そのルーツを知ることで目に見えるものが増え、また新たな発見に繋がる。
美術家としてその体験を体現して、この活動を観た方への同じく驚きの入り口となるようなきっかけを、活動の総体を通じて作りたいと考え、活動しています。
立ち上げから12年経ち、清島アパートも別府に当たり前のようにある特別な場所となりました。この清島アパートに最初から入居してきたノウハウを、
クリエイターが別府ならではの活動ができるコミュニティ作りに活かしていきたいです。
これからも別府の魅力を掘っていける活動を作っていきます。応援していただけたら嬉しいです。
最後まで読んでいただき誠に有難うございました。